南方回帰�V- 闇からの一撃 Fishing from rocks near the shore of the ocean-12
2018-07-12


その12

‐DNA‐海人

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歳前半当時
その引き継がれたDNAとは

 あとは、まだまだやる気十分な野人にバトンタッチとした。
野人と言えば一向に気にしていないのか、マイペース。
にこにこしながら、気合のキャスト。
 さすが野人、余裕綽々。

すでに“あしたのジョー”になってしまった私とは裏腹に、野人は竿を投入し続けるのだった。

落胆の後の力無い私のあとを何事もなかったようにロッドが振れるその豪胆ぶり。
直ぐには何も無かった。
また、静かな時間。
 その事件から30分が経過しただろうか?

全てを失って座って見学の私の前でそれは起った。
「来た!!」

野人吠える!

ポリネシアンパワーでum9Pの曲がりをバットまで溜めさせて最初の引きに耐える。
生まれながらの野生の勘かDNAに刻みこまれた先祖伝来の天性か、余裕の表情である。

彼の父は、150�p前後程の昔の島人の背丈ではあったが、小舟でカジキやマグロ、イソンボやガーラをその腕一本で捕獲してきた、言わば生粋の海人である。
 野人曰く、俺以上にタフで怪力の持ち主だったという。
それは、T-シャツに海人と書かなくてもその背中にはくっきりと刻みこまれ、DNAの中に先祖の霊とともにある血筋である。
 そのような、タフな父でも今はこの世にはいないが息子にはその勘とともに生き続けているのだろう。
どう見ても弥生人系の私とは比較にならないようであった。
当然その背中には、海神祭とも書いてはいないけれど。

ところが、である。

今日の相手はそう簡単ではなかった。
本日の3本目もそれは強烈であった。

 江戸時代では人生を終わる平均の歳ではある野人であるが、そのどっしりとした姿勢と体力は野人という名に相応しい。
ライトパッドは、ボートではその力を十分発揮できるが、しゃがんだ姿勢をある程度強いられる磯場では、かえって扱い辛い。


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