それからの一撃
THEN A BLOW
一撃で仕留められればそれは達人である
一撃がだめなら二撃
二撃が駄目なら三撃、四撃と攻め続ければ良いことなのか
そうすれば、おのずと隙は見えてくるのかもしれない
いつもの日常と同じ様に目が覚めた。習慣と言うのは、よほどの変化事が無い限り続くみたいである。ふと隣で寝ている専務を見ると、熟睡の様子だった。それもその筈、専務のライフスタイルからすると夜中まで仕事する日ならば熟睡タイムであろうから。日頃のライフサイクルが、両人で少し異なっているのは当たり前と言えば当たり前の事なのだが。
独り珈琲を啜った。
なんだか静か過ぎるので移動する事にした。と言っても師匠宅ですが。
師匠宅でインスタントコーヒーをカップに適量入れて濃さ加減もいい加減にと啜っていると、そこへ昨晩車中で一緒になった例のお姉ちゃんのうちの一人が私に気が付いたらしく、声をかけてくれた。
「おはようございます〜。」
おお、ここは少し希望と思われる朝の挨拶に、会話の始まりかと僅かながら思っているとそこでまた声が。
「昨日は釣れましたか?」
などと聞いてくるではないか。
一体どういう事なのかと半信半疑で私は、その真意を問うてみようと少し捻ってみた。