年の事だった。当時日本には入ってはいなかった頃の事である。その頃は、まだフラットデザインサイドプレートに、シャークの絵がエングローブされていた。当時は、そのリールが特段すばらしいとも思わなかったが、その時聞いた価格に少し感心した。そのコストパフォーマンスには大変優れていたように思えた。いや驚いた。
「なにか、気になる点は?」と聞かれたので、
「個人的にはシャークは嫌いではない。またこの手の釣りがこの国(米国)でポピュラーなのは良く知っている。」
「だが、日本でこのリールを売るとするならば、このシャークのデザインは受け入れ難いものになるだろう。」
「なぜなら日本ではシャークは釣の対象とする人は大変少ないからだ。」
「むしろ、シャークは迷惑くらいに思っている釣人の方が圧倒的に多いと思う。」
そう言うと、彼は驚きを隠せない表情で
「それは、本当か?」
「日本人は、シャークが釣の対象としてはマイナーなのか?」
と聞いてきた。彼は、そのことがにわかには信じられない様子だった。
価値観の違いと言うのは、国によって大きく異なるのだ。それは、その国の主義、思想に大きく反映すると思う。アメリカの釣人は、サメを立派なゲームフィッシュとして認識している。また、その種類によっては食用とされる。寧ろ我々日本の釣人が少数派なのかもしれない。
サメは、我々日本人が太古の昔より漁の対象として捕獲、利用されて来た。そしてかつてほどではないものの現在も利用されているが不人気なのは謎である。日頃の釣人の言動からみて感じとれる部分は多々ある。恐らくではあるが獲物をかっさらう、また仕掛けを切るというミートフィッシャーマンにとっては厄介極まりない存在でもあったりするのかとも思う。一方で水族館の人気物であったりする。
2002年当時のAVET JX Single Speed Shark
所謂初期型でとても面白いリールだと思った(2002年当時)
さてさて、そのRAPTORが発売になるとすぐに購入した。今までのノーマルデザインは、比較的スムーズにそのドラグは効いていた。滑り出しも悪くないナイロンラインとの相性もばっちりではあったがことどんどん細くかつ強力になっているブレイデッドラインに合わせる必要がでてきたのだろう。その強化ドラグとマグネットブレーキ搭載の2スピードリールは未だ日本のメーカーでは見たことがない。バリューも申し分のない。これは凄いなと思った。技術的には、日本の大手2