くらいのものである。この餌取が案外多い。また、こいつの皮は相当硬い。それは、財布ができそうなくらい硬い感じの皮で、ケミカルシャープ針の切っ先さえ、非常に通しにくいのである。我々は、クブシミ(コブシメ)撃退作戦には失敗したものの、小判、コバン釣には成功した。猫に小判でないだけまだいい。
早速、SYUがそれを取り、上顎掛けにした。そしてキャスト。いよいよライブベイトの投入である。今まで散々餌取りとして齧り続けたその報いは、直ぐに訪れた。それは、自らが餌となるという制裁であった。何の躊躇もなく投入されたその30cm程のコバンは、何かに怯えているのか恐怖なのか、どうなのか手前に近づいてくるではないか。先ほどまで何処に投入しても喰いついて来たのに。
このコバンアジは、皮の硬さとは全く関係なくとても美味らしい。いつも餌になるだけなので、今度機会があれば試食してみたい。特に生が良いみたいである。
「えらい手前にくるなぁ…。」
「はい・・。」
コバン君は、ゆっくりと左方向へと移動している。
投入から数分後・・・・それは興った。
“ギィ〜”
リールクリッカーが突然勢い良く鳴くと・・・同時に
「ああっ・・キタ〜!」
SYUUのコールと共に一同一斉にその方向を見た。
一気に斜め左にラインが流れ走って行く!
彼は、グンとパワフルな合わせに入ると一気に竿は、弧を描くと、台湾製最上級コンベンショナルリールのスプールが逆転に転じた。クリッカー音が闇夜に鳴り響く。
「まえ!」
「前にでて!」
とは言うものの、踏ん張るので精いっぱいらしい。
「ムリッス!!」
突如襲った激しい引きに全力で耐えるSYUU氏
それは、間違いなく今までの外道とは違う引きだった。魚は、まっすぐに沖には向かう事もなく斜め左前へと方向を変えなかった。
「ああ、SYUU!そっちはマズイよ!」
と言われずとも解ってはいるが、相手がこちらの言う事を聞く筈もないのである。
「あああ…ぁ〜すってる、擦ってる、スッテル!」